人間の場合、数mから落下しただけでその衝撃に耐えれず、骨折や最悪の場合は死に至ってしまいます。しかし昆虫のアリはどんな高さであろうと生還することができるのです。

アリの防御力

物体が落下すると、どんどん速度を上げながら落下を続けます。落下速度は上がり続けますが、やがて引力の下向きの力と空気抵抗の上向きの力が等しくなると、それ以上落下速度が上がりません。これが「終速度の法則」です。

アリの場合、終速度の法則によって達する落下速度の限界は、高さ10cmになります。つまり、どんな高さから落下しようが、高さ10cmから落下して着地した時の衝撃と同じということになります。

しかしアリにとって高さ10cmは、人間に例えると8階建てのビルの屋上から飛び降りると等しいことになります。アリがその衝撃から耐えられるのは、背骨がなく、全身が硬い骨格で覆われているからなのです。