スズキ目・ベラ科に属する「ホンソメワケベラ」は、別名「海の掃除屋さん」と呼ばれます。白地に黒いラインが入った特徴的な色をしており、まさしく白衣を着ているようにも見えます。そんなホンソメワケベラがなぜ海の掃除屋さんと呼ばれるのでしょうか。

掃除屋さんよりもさながらお医者さん?

ホンソメワケベラは体長はおよそ12cmの小魚ですが、この小魚を頼りに来る魚はチョウチョウウオ、ヒメジ類などの小型魚から、アジ類、大型ハタ類まで、サンゴ礁に住む魚のほとんどがホンソメワケベラの元を訪れます。

ホンソメワケベラはやってくる魚の体や口内、エラの中に食いついている寄生虫を食べてくれるのです。この際に寄生されていた魚は、ホンソメワケベラが寄生虫を食べてくれるのを完全に理解しており、自ら口を開けたりして寄生虫の除去を手伝います。大型魚も自ら口を開けるのですが、決してホンソメワケベラを捕食したりはしません。

そこには海の中の違う種族同士の魚の共存生活が垣間見れるのです。