外見からエビの仲間と勘違いされがちなシャコですが、エビとの関係はかなり遠いものとされています。寿司ネタにもなるシャコですが、生物界でシャコにしか持たない能力があるなど、じつは特別な存在なのです。

シャコの驚くべき能力

シャコの体長は20cm程ですが、その小さな体から繰り出されるパンチはとてつもなく強力です。その力は80kgのベンチプレスを持ち上げる程のパワーがあり、エサとなる貝などはシャコの前では身を守ることすらできません。時には水槽の厚いガラスも砕いてしまうことから、飼育には細心の注意が必要になります。パンチの速度も圧倒的で、周りの水が一瞬で沸騰してしまう程のスピードなのです。

それだけではありません。人間は光を感じるための光受容体という感覚器は3つしかありません。色の三原色である赤・青・緑を認識することしかできないのです。しかしシャコは12もの光受容体を持っており、人間では見ることのできない世界を見ているのです。

また、生物で唯一「円偏光」と呼ばれる光を見ることができるとされています。光の波長は通常は一方向のみに振動します。これを直線偏光と呼びますが、円偏光は螺旋を描くように振動する光のことです。この円偏光という特別な光を視認できるのは、数ある生物の中でシャコだけなのです。