劇団四季の人気ミュージカル『ライオンキング』は、1998年に公演を開始以来、20年にも及ぶロングラン記録を樹立しており、その公演回数は1万回を超えています。じつはこの『ライオンキング』は、地方公演に合わせてセリフに方言を取り入れているのです。

ライオンキングと方言

方言を喋るキャラクターは、全キャラクター中、ミーアキャットのティモンとイボイノシシのプンバァです。アメリカでのオリジナル版では、ニューヨークのブロンクス訛りで話されるセリフの部分を、日本では各地の公演地に合わせた方言に翻訳されました。

例えば、大阪公演では大阪弁が、名古屋公演では名古屋弁が、福岡公演では博多弁が、そして標準語と思われる東京公演においても、江戸弁や女言葉などが用いられています。

自分の目の前で父親が死んでしまったショックを癒すために旅にでたライオンのシンバが、旅先でティモンとプンバァに出会います。ここで彼らが方言を喋ることにより、「シンバは遠くまで来たんだな」と感じてもらえるよう、あえて方言を取り入れているのです。