カレーは今や日本を代表する国民食になっています。タマネギ・ジャガイモ・ニンジンの三種の神器に肉を加えたものが食材として一般的ですが、日本にカレーが伝来してきたばかりの頃は、現在とは全く異なる材料で作られていた可能性があるのです。

元祖、カレーの材料

1872年に発行された、ヨーロッパから伝えられた料理のレシピ集である『西洋料理指南書』によると、カレーの作り方は次のように記載されています。

  1. ネギ・ショウガ・ニンニクをみじん切りにしバターで炒める
  2. 水を加え、トリ肉・エビ・タイ・カキ・カエルなどを入れて煮込む
  3. カレー粉を加えて更に煮込み、塩と水で溶いた小麦粉を加える

おそらく当時の日本では現在のカレーに使われているようなスパイス類を揃えるのは非常に困難だったと思われます。そのため、ネギやショウガ、ニンニクといったもので刺激を出そうとしたのでしょうか。肉類に関しても、魚貝類であったり、カエルという突飛な発想がなされています。確かにカエルの肉はトリ肉に近い味わいといわれますが、やはり抵抗があるものです。さらに本書には「カレー粉がない場合は味噌で代用も可」とも書かれているそうです。

皆さんも一度、当時の味噌ルーを体験してみてはいかがでしょうか。