二十世紀梨は19世紀に作られた
梨の品種といえば二十世紀梨を想像する人も多いでしょう。生産量第三位を誇り、日本人に愛されている和梨です。実はこの二十世紀梨は19世紀に発見されたものなのです。
命名の由来
1888年、千葉県に住む13歳の少年がゴミ捨て場に自生していた梨を偶然にも発見。それが新種の梨だったのです。当時は「新太白」と名づけましたが、10年後の1898年に「少年よ、大志を抱け」で有名なクラーク博士の教え子である渡瀬寅次郎によって「二十世紀梨」に改名しました。
つまり発見されたのは十九世紀ですが、「数年後には二十世紀になる。二十世紀で梨の王様となるだろう」という願望が込められて命名されたのです。
時は過ぎ、二十一世紀になった現代でも改名はされていません。もし改名しようとしても、「二十一世樹」という同じ読みの言葉が登録されているため、種苗法によって「二十一世紀梨」に改名することは不可能なのです。