落語のオチが付いた際に「おあとがよろしいようで」というのが噺家の決まり文句となっています。これは一般的に「オチが付いて丸く収まりました」などという意味にとらえられがちですが、じつは本当は別の意味があるのです。

“おあと”とは何のこと?

落語の寄席は噺家が順番にネタを披露していきます。話の最後で「おあとがよろしいようで」と言われるのは、本来は「次の噺家の準備がよろしいようです」という意味なのです。

つまり最後の出演者であるトリを務める噺家は「おあとがよろしいようで」とは言わないそうです。トリの噺家が演目を終えたときには、同時に太鼓が鳴り、その日の演目全てが終了したことを告げるのです。