茶道の正しい作法を知らない方でも、口を付ける前にクル、クルと茶碗を回す動作をするというのはなんとなく分かるのではないでしょうか。なぜ茶碗を回す必要があるのでしょうか。

コーヒーのそれと一緒?

例えばコーヒーを入れたとしましょう。砂糖やミルクを加えてスプーンでクルクルとかき混ぜます。茶道の場合は既にかき混ぜた状態で出されるので、これとは全く意味が異なります。

茶道は一つひとつ、全ての動作において相手を「もてなす」意味が込められています。茶碗を回すのも当然意味があります。実は茶碗には前後があります。大抵の茶碗の場合、美しい模様などが描かれた方が前面になり、お客様に前面が向くように渡します。

茶碗を受け取ったら、クル、クルと半回転させ、茶碗の前面を主人の方へと向き直すのです。これが茶道における茶碗を回転させる意味なのです。