冬季オリンピックやウィンタースポーツ競技の目玉ともいえるスキージャンプ。ジャンプ台からの飛距離を競う競技ですが、着地斜面の下部に赤い線が引かれており、その地点を超えて着地することで加点される仕組みになっています。この地点は「K点」と呼ばれますが、この「K」とはいったいどんな意味なのでしょうか。

K点の意味

競技に使われるフィールドはご存知の通り坂になっています。最初のうちは急な勾配ですが、徐々に緩やかになっていき、最後は平面となっています。猛スピードで着地地点に飛び立つ選手が安全に着地するためには、ある程度の勾配が必要になります。しかし優秀な飛行をした場合、選手は平面に近い位置で着地することになります。

このことから、1972年の札幌オリンピック当時では、これ以上飛ぶと危険であるという「極限点」を意味するドイツ語の「Kritischer Punkt」の頭文字をとって「K点」と呼んでいました。つまりは、これ以上飛んではならないとされていたのです。

しかし競技技術の進歩によってK点を超える選手が続出すると、K点の意味も変わりました。現在のK点は、ジャンプ台の「建築基準点」を表すドイツ語の「Konstruktionspunkt」の頭文字なのです。

ちなみにK点を位置する場所には赤い線が引かれていますが、着地区域の開始点である位置には青い線が引かれており、「着地地点」を表すドイツ語で「Punkt」と呼び、頭文字をとって「P点」と呼ばれています。