牛乳をもとに作られた食べ物は数あれど、塗料になるという話は聞いたことがありません。しかしヨーロッパにある世界最小の国であるバチカン市国では、牛乳を原料とした塗料を使用することがあるのです。

牛乳塗料

牛乳塗料を使用する方法は古くから存在しており、牛乳に消石灰や天然顔料を混ぜて作られる牛乳塗料は、伝統的な製法です。生き物だけでなく、環境にもやさしいだけでなく、現代では使われている合成塗料よりも、長持ちする理由からも採用されます。

1484年に建造された、バチカン美術館の展示物を保管しているベルベデーレ宮殿も、この牛乳塗料を用いて塗装されており、2017年に同じく牛乳塗料を用いて塗り替えが行われたことがニュースになりました。

昔ながらの手法や伝統を再現するという観点ではなく、あくまでも牛乳塗料が塗料として優秀だから採用されたとのこと。

ちなみにこの塗り替えで使われた牛乳塗料に使用された牛乳は、バチカン市国の王様が所有する牛から搾られた牛乳のみを使用しています。