ツール・ド・フランスは1903年からフランスで毎年開催されている、ロードバイク(自転車)の最高峰レースです。大会は23日間に渡って行われ、ツール・ド・フランス(フランス一周)の名の通り、約3300kmもの長距離を走り抜きます。世界最高峰のレースなだけに優勝の名誉は計り知れず、優勝のためにとんでもない不正を行った選手がいるのです。

漫画のような不正行為

陸上競技などでたびたび発覚するのが、選手の薬物使用によるドーピングです。自転車レースになると、自転車を違法に改造した不正行為もみられます。しかしツール・ド・フランスで語り継がれることとなった不正行為はこういった類のものではありません。

記念すべき第一回大会が開催された1903年。優勝者はイタリア人選手のモリス・ガランでした。翌年の1904年に開催された第二回大会において、モリス・ガランは当然ながら二連覇を狙って出場していました。結果、後続を大きく引き離して堂々一位でゴールテープを切ったのですが、大会終了後に不正をみていたという告発があったのです。その内容は、モリス・ガラン含む12選手が、自転車ごと列車に乗って移動をしていたという信じられないものでした。

これにより、12選手は失格となり、その内の4選手が上位を独占したいたため、5位でゴールしたフランス人選手のアンリ・コルネが優勝となったのです。