ミツバチのおかげで花は子孫を残すことができ、人間は美味しいハチミツを食べることができます。ミツバチの天敵は他の昆虫ではなく、同じハチの仲間であるスズメバチです。スズメバチに対してミツバチはまるで歯が立ちませんが、ニホンミツバチはこのスズメバチに対して必死の抵抗をするのです。

必殺!熱殺蜂球!

たった30匹のスズメバチが、30万匹ものミツバチを殺していく様子をとらえた映像が話題になったことがあります。これが自然の掟であり、弱肉強食の世界なのです。しかし日本に生息するニホンミツバチは、巣に侵入してきたスズメバチをただでは済ませません。

スズメバチは熱に弱く、致死温度は47℃とされます。一方のミツバチの致死温度は48℃程といわれ、この1℃の差が生死を分けるのです。

ミツバチは巣にスズメバチが侵入したことを検知すると、ものすごい数の仲間を呼び集め、スズメバチを包囲します。それはまるでハチでできた球のようです。この攻撃方法は「熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)」と呼ばれ、スズメバチの致死温度である47℃になるまで体を震わせて温度を上げ、スズメバチを蒸し殺してしまうのです。