蜜蜂が花から採取した蜜を巣の中で加工したものがハチミツです。ハチミツのラベルなどを見てみると賞味期限が非常に長く設定されていることから、長期保存向けの食品であるのは分かりますが、ハチミツが腐らないというのは本当なのでしょうか。

今回の雑学では、ハチミツが腐らない理由についてご紹介します。

ハチミツの栄養分

ハチミツは80%の糖分と20%の水分によってできています。糖分は主にブドウ糖と果糖で構成されており、体内に吸収すると即発的にエネルギーに変わってくれる優れものです。

さらに栄養価が高く希少価値のある「ローヤルゼリー」は、ハチミツの高級バージョンというわけではありません。蜜蜂が食べたハチミツや花粉を体内で分解し、クリーム状の分泌液として体外に排出されたものがローヤルゼリーです。ハチミツと比べて栄養価が高く、女王蜂の餌となります。

ハチミツは腐らない

食べ物が腐る原因は何か。それは細菌が繁殖することによって起こる腐敗のせいです。細菌は食べ物それ自体から繁殖するための栄養を吸収し、細胞分裂を繰り返して大きくなっていきます。どんな食べ物にも細菌というものは必ず含まれています。

ハチミツも例外でなく細菌が入っているのですが、高すぎる糖度のために浸透圧の力が働き、細菌から水分を吸収してしまうことにより、ほぼ全ての細菌は死滅してしまいます。これにより、論理的にはハチミツは一生腐ることがないと言えるのです。

赤ちゃんにハチミツを食べさせてはいけない理由

しかしながらたった一つ例外があります。それは「ボツリヌス菌」と呼ばれる細菌で、この細菌は悪環境の中に入ると、眠った状態になることによって自らを守備力を高めて死亡することを防ぎます。

ボツリヌス菌の持つ毒素は、100℃の熱で失われてしまいますし、人間の体の中に入ったとしても胃酸などの消化器官の働きによって死滅してしまいます。

しかし消化器官が発達していない乳幼児などにハチミツを与えてしまうと、菌が死にきれずに活動を始め、感染してしまう可能性があります。そのため、乳幼児には出来る限りハチミツは与えないほうがよいでしょう。