力強い香りと辛さをもち、肉料理と相性抜群の黒コショウ。それとは対照的に淡白な辛さで、魚料理と相性抜群の白コショウ。はるか昔にはコショウは非常に高級品であり、金銀などと同等の価値があったとされています。現代の食卓では欠かすことの出来ないこのスパイスの違いは何なのでしょうか。

黒コショウも白コショウも同じ実から作られる

コショウはつる性の植物になる実から精製されます。このコショウのつるは最大で9mにも達します。コショウの実はトマトの様に、緑色から赤色へと熟していきますが、どの過程でどのように手を加えるかによって分かれているのです。

黒コショウ

実が熟す前の緑色の実の段階で採取され、皮をつけたまま乾燥させます。天日で乾燥させることで、緑色の実はみるみる黒くなり、おなじみの黒コショウが出来上がります。

白コショウ

実が熟して赤くなってから採取されます。採取した実はまず2週間程水に浸してから皮を取り除き、その後に乾燥させます。皮を取り除いてしまうため、皮から出る色素や渋みがなくなり、ツルッとしたあっさりな味わいのコショウとなるのです。