死者と婚約を済ませてしまうと、冥界に連れて行かれる。そんな創作のストーリーをドラマなどで見たことがある方もいるのではないでしょうか。死後婚は死者同士の結婚ではなく、死者と生者との結婚を指すのですが、フランスではこの死後婚が認められているというのです。

フランスでの死後婚

死後婚は他にも「冥婚(めいこん)」や「陰婚」、「鬼婚」、「幽婚」などと呼ばれます。日本では死後婚は認められていませんが、世界で唯一、フランスだけは法律(民法)によって死後婚が認められています。

この民法171条によると、「将来の夫婦となる者の一方が死亡し、死亡したものの承諾に何ら疑いがない場合」に、婚姻が認められるとされています。しかしながら死亡した者の財産の相続権を得ることは出来ず、婚姻関係があったとされることもありません。死後婚をした場合、亡くなった方の性を名乗ることができ、妊娠などをしていた場合には認知することも出来ます。

この法律は1959年から存在し、現在でも年に1~2件の死後婚が成立していると言われます。