「雪は白い」。これは世界中の誰しも知る自然界の常識です。しかしフランスの首都パリでは、赤い雪が観測されることがあるのです。

赤い雪の正体

雪は、空気に含まれる水蒸気が大気中の微粒子を核にして凝結したものです。そうして出来上がった結晶に光が乱反射することで、雪は白く見えるのです。それでは、赤い雪の正体とは何なのでしょうか。これには、フランスから遠く離れたアフリカにある世界最大の砂漠「サハラ砂漠」が関係しています。

サハラ砂漠の中央部は、赤土に覆われた乾燥地帯になります。日中の最高気温は50℃を超えますが、夜間になると氷点下が襲う過酷な気象条件です。そのため、地表の砂が風化して細かくなり、やがて大気中を舞う砂塵となります。この砂塵が気流に乗って地中海を渡り、フランスの上空あたりで雪の結晶の核となるのです。

こうして出来た雪は、ほんのりと赤い色をおび、フランスの街を彩るのです。