プールで目が赤くなるのは塩素消毒のせいではない
プールで泳いでいると、いつの間にか目が真っ赤に血走ってしまった、そんな経験がある方もいることでしょう。プールは消毒のために一定の塩素を溶け込ませています。かつてはこの塩素のせいで目が充血してしまうと考えられていましたが、その常識がくつがえされました。
プールの中には何が……
2015年6月、アメリカ疾病予防管理センターやナショナルスイミングプール財団、その他の水質や健康に関する専門家たちによって、プールで目が充血する原因は塩素ではないことが発表されました。その原因とは、なんと「オシッコ」なのです。
人間のオシッコや汗などに含まれている窒素を含む物質と、プール内に溶け込んでいる塩素が反応を起こすことで、人間の目や肌や呼吸器を刺激する化合物が生成されます。この刺激物が原因で目が充血したりするのですが、ひどい場合には呼吸器の炎症を引き起こし、咳や鼻水が止まらなくなるといった症状もでてしまうのです。また、一般的にプールの臭い=塩素の臭いと思われていますが、この臭いの原因も、その刺激物の臭いなのです。
プールに入る前に、泳いでいる人達の目が充血していないか確認してみましょう。もし目が充血していたら、そのプールにはオシッコが充満していると考えて間違いはないようです。