江戸時代より一般的な観賞用の植物として人気を博していたアサガオ。今でも小学生の夏休みの課題などで、アサガオを育てる風習は根強く残っています。しかし元々はアサガオは観賞用ではなく、として用いられていたのです。

アサガオの毒性

「アサガオには毒がある」と習った方もいるでしょう。確かにその通りで、アサガオの種には下剤の作用がある成分が含まれており、その毒性を上手く薬として利用したのです。そのため、素人判断でむやみに種を薬として服用するのは危険が伴います。

アサガオは奈良時代末期もしくは平安時代に遣唐使によって日本へ持ち帰られました。この頃は漢名で「牽牛子(けにごし・けんごし)」と呼ばれていました。これは、この種を牛と交換して得ていたことが由来となっています。当時は牛は大変貴重なものであり、いかにアサガオが薬として重宝されていたのかが伺えます。

アサガオの種は粉末にして利用され、下剤や利尿剤として用いられます。これは生活の知恵といった軽いものではなく、しっかりと生薬としての存在が認められており、医薬品に関する規格書である『日本薬局方』にも収録されています。