ダンゴムシは世界中に生息していますが、もともとは日本には生息していなかった昆虫です。明治時代に外国の船に乗って日本にたどり着いたという説が有力です。しかしダンゴムシが船に迷い込むのには、ある習性のせいで滅多なことではないと言えるのです。

ダンゴムシと迷路

動物に迷路を通り抜けさせる実験のことを「迷路実験」といいますが、迷路は学習によってクリアできる確率が変わってきます。一般的に魚類、鳥類、両生類、爬虫類、哺乳類のいわゆる脊髄動物がこれに該当し、学習によって迷路を迷うことなく進むようになります。

そんな中、ダンゴムシは一風変わった習性を持っています。それは、曲がり角を左に曲がったら、次は高い確率で右に曲がり、その次は左と、交互に繰り返す習性を持っているのです。

この行動を「交替性転向反応」といい、左右に交互に曲がる事で天敵から逃げられる確率を高めているといわれているます。研究によると、逆方向へ曲がる確率は85%と高い数値を記録しています。

舶来によって運ばれたダンゴムシも、左右交互にジグザグと曲がり角を経て、乗船したのでしょうか。