愛くるしい外見に加え、抜け毛や体臭がほとんどないことから、日本でもトップクラスに人気のあるトイ・プードル。トイ・プードルは体高26〜28cm、体重3kg前後の小型犬ですが、もともとは体高45〜60cm、体重15〜19kgの中型犬であるスタンダード・プードルの品種改良によって生まれた種です。

プードルの利用

プードルといえば特徴的なのが、その毛のトリミング方法にあります。胸部と足首の毛を残し、他の部位の毛は短く刈り込んでいるトリミングをしたプードルが目立ちます。現在ではこのカットが一般的であり、ファッションの要素として確立されていますが、本来はしっかりとした目的がありました。

日本国内における犬の品種の認定を行なっているジャパンケネルクラブによると、現在日本国内ではプードルは愛玩犬として登録されています。しかしプードルはヨーロッパ、特にフランスで古くから愛されていた犬種で、水中回収犬・鳥獣猟犬として分類されていました。

その分類通り、プードルは泳ぎが得意で、水辺や水中に撃ち落とされたカモの回収犬として用いられていました。そのため、冷たい水から心臓と関節を保護する目的でその部分の毛を残し、それ以外の部位は水の抵抗を少なくするために毛を刈り込んでいたのです。

次第に上流階級の間でプードルが流行すると、徐々に小型化され、現在のように愛玩犬としての地位を築いていくこととなったのです。