ナマケモノは食事も睡眠も交尾も、全てのことを樹上で行い生活しています。ほぼほぼ動くこともなく、まさしく怠け者な生き様には感服します。しかし週に一度だけ、排泄のために地上に降りるのです。その理由には怠けるための執念がありました。

怠け者の極意

ナマケモノは、あまりにも動かないがために背中にコケが生えてしまうことは有名です。そして生えたコケを食料としてしまうのです。しかしただ単にじっとしているだけではコケは生えてきません。週に一度だけ、外敵に遭遇するリスクを負いながらもわざわざ地上で排便を行うのは、このコケを生やすためなのです。

実はナマケモノには蛾が寄生しており、この蛾がナマケモノの毛の中で糞尿をすることで、それが肥料の役目を果たし、雨が降りコケが生えるという仕組みになっています。

ではどのようにして蛾が寄生するのかというと、ナマケモノが地上にした糞に卵を産み付け、孵化した蛾はナマケモノの体毛に向かい、新たな共存生活を繰り返すというわけです。