エレベーターは幾重にも安全対策が施されており、不安に思うほど危険な乗り物ではありません。しかし誰しもが一度は「もしこのエレベーターが落下したらどうしよう」と思ったことがあるはずです。そんな時は、どうすれば助かることができるのでしょうか。

エレベーター内でのジャンプ作戦

この話題になるとよく挙がる解決策は「地面にあたる瞬間にジャンプする」ということです。しかしこれでは助かるどころか即死です。例えば高さ30mでワイヤーが切れた場合、エレベーターは時速87kmで落下します。その場でジャンプしたところでこの速度が軽減されるのは、せいぜい10km/h程度です。つまり時速77kmで地面に叩きつけられることになります。時速87kmで落下するエレベーターで、その場でジャンプして無傷で助かる方法は、時速87kmでジャンプできる人間だけですが、その時速で飛び上がれるということは、高度30mまでジャンプできるということ。とても現実的ではありません。

世界屈指の名門校であるマサチューセッツ工科大学の研究チームによると、エレベーターの落下事故から助かるためには、床の中央で仰向けになって寝転ぶのが最善だという結果がでました。地面にぶつかった時の衝撃を体全体に分散させ、即死を免れようという作戦です。

確かにこの方法で即死は免れたところで、全身の骨がボロボロになるのは避けられないでしょう。