フォアグラの生産は動物虐待?
世界三大珍味の一つとして数えられるフォアグラ。ガチョウやアヒルの肝臓を調理したもので、その濃厚な味わいは一度食べたら病み付きになると言われ、美食家たちの舌を掴んで離しません。しかしこの美味しいフォアグラの生産が、動物虐待にあたるとして批難が集まっているのをご存知でしょうか。
フォアグラの作り方
まず、フォアグラにするためには肝臓を肥大化させる必要があります。人間で言うところの脂肪肝の状態に育て上げるのです。脂肪肝はいわゆる病気の一種である事から、その飼育方法に賛否両論されるのです。
フォアグラにするための鳥たちは、「ガヴァージュ」と呼ばれる方法で強制的に餌を胃袋に流し込まれます。ガヴァージュは鳥の頭を掴み、そこに漏斗を挿し込んで餌を与える方法です。
ガヴァージュ自体は古代エジプトの時代から行われ、動物を太らせる、つまり肥育する技術として行われてきました。
フォアグラの生産に最も重要な事は、いかにストレスを与えずに肥育出来るかにあると言われます。自然豊かな地で運動が出来るスペースを設け、職人による手作業で柔らかくなるまで蒸したトウモロコシを食べさせる伝統的な方法は問題がないとされていますが、工場にギチギチに押し込まれた状態で、機械的に餌付けをされる肥育方法に批難が集まっているのです。
この事から、イタリアやドイツ、オーストラリアの一部地域を始めとした世界14カ国では、フォアグラの生産が禁止されているのです。