日本の歴史で人気が高いのは、やはり武士が登場する江戸時代や戦国時代でしょう。日本の侍や武士は、海外でもSAMURAIと呼ばれ、高い人気を誇っています。しかし日本人の私たちでもよく理解していないのが、侍と武士の違いです。

侍と武士は何が違う?

侍の言葉の歴史は古く、奈良時代以前から使われていたとされます。その頃は「さむらい」ではなく「さもらう」であり、侍という言葉の語源になっています。さもらうとは、見守ることを意味する「守らう(もらう)」に修飾・接頭語の「さ」が付いた言葉です。これが平安時代になると「さぶらふ」「さむらふ」に変化し、貴族に仕えるものを指すようになりました。

さらに時代が進み、鎌倉時代の頃になると、「◯◯する者」という意味の「◯◯い」という言葉がくっつき、「さぶらい」という言葉に変化し、さらには現代の発音の「さむらい」となります。

さむらいと発音するようになったのは室町時代からですが、この頃は武芸に限らず、職能者全般を指しました。これが、安土桃山時代以降、武芸を持って貴族に仕えるものをいうようになったのです。

それでは「武士」というのはどうでしょうか。武士は「武そのものを生業にしている者」を指す言葉であり、誰に仕えているか否かは関係がないのです。