扇風機にコマ、特に走行中のクルマのホイールの模様が、通常の回転方向とは逆向きに回転しているように見えることがあります。これはなぜなのでしょうか。

二つの現象

人間の目は、1秒間に3回程のリズムで眼球が高速に動き、目で見えるものの情報を得ています。これを「サッケード運動」といいます。パラパラ漫画をめくるように、私たちの目も毎秒200コマ程の断続的な情報を繋ぎ合わせているとされます。

個人差はありますが、回転するものの速度が一定値を超えると、目で見るという情報が追いつかなくなり、止まったり逆回転をしているように見えるのです。

サッケード運動は肉眼でものを見た際に起こるものですが、テレビや映画などで車のタイヤが止まったり逆回転に見える現象は「ワゴンホイール効果(ストロボ効果)」といいます。そもそもテレビは毎秒30コマ、映画は毎秒24コマの静止画を繋ぎ合わせて映し出されています。

このことから、例えば毎秒2回転している15本のスポークが付いたホイールの場合は、毎回同じ位置で映写されることになり止まっているように見え、毎秒1.5回転などの少ない回数の場合は逆回転しているように見えるというわけです。