公衆トイレ個室には「F」または「コ」を逆にしたような形のフックが備えつられています。これは手荷物などを引っ掛けておくためのフックですが、2段階になっているのは荷物を2つに分けて掛けるようにではないようです。

トイレのフックは防犯対策

実は、荷物を掛けるのは下の段の短いフックの方です。大抵のフックの場合、上の段は長くなっており、ドアストッパーの役割も担っています。しかし上段の役割はそれだけではありません。フックを長くしておくことで、盗難防止の役割も兼ねているのです。

この2段階式のフックは昭和後期に普及したとされ、それ以前はトイレの個室の上の隙間から手を入れて、荷物を盗むという行為がたびたび起こっていたようです。個室に入っているということはズボンを脱いでいるということなので、すぐには追いかけられませんし、格好の的だったのでしょう。