風邪を引いた時など、体温が上昇して熱が出た際には、同時に悪寒(寒気)が襲ってきます。そもそも体温が高くなっていて体は温かくなっているはずなのに、なぜ寒気が襲ってくるのでしょうか。

風邪の初期症状

悪寒は37〜38℃程度の発熱の際に感じます。風邪を引いて熱が出てくると、体は段階的に防御反応を示します。体温が高くなるのはこの防御反応のせいで、体温を高くして熱を出すことによって病原体と戦っているのです。

体温が上がる仕組みは段階的に3つあります。まずは血液が熱を運んで発散するのを防ぐために、血管を収縮させます。すると、体温は高いままを維持しますが、皮膚表面の血流が少なくなることで寒気を感じます。

この行動でも熱量が足りない場合は、脂肪を燃焼して発熱を促します。この際に燃やされる脂肪は肥満の原因の脂肪ではなく、「褐色脂肪組織」と呼ばれるものです。褐色脂肪組織は年齢と共に減少していきます。子どもが冬でも薄着でいられ、風邪を引くと高熱を出しやすいのは、この褐色脂肪組織が多いからとされます。

さらに高熱を必要とする場合は、体中の骨格筋を震わせて熱を作り出します。寒気を感じているうちは微熱程度ですが、体がガタガタと震える状態では熱は40℃前後になっているはずです。