インフルエンザを含むほとんどの病気の場合、その病気に「かかる・かかった」という言い方をします。対してポピュラーな病気の一つである風邪は、まず「かかる」という言い方をせず、「ひく・ひいた」という言い方をします。なぜ風邪だけが特別な言い回しなのでしょうか。

風邪はかからない?

「かかる」は漢字では「罹る」と書きます。この字そのものに「病気になる」という意味があります。そのため、ある病気になることを「かかる」というのです。

そして風邪は、冷たい風を体内に引き込むことで風邪になると信じられていました。引き込むという言葉が省略されて、風邪には「ひく」という言い回しをするようになったのです。

そもそも風邪は病気の一種として考えられておらず、咳・熱・鼻水などの症状が出た状態のことを指す言葉でした。しかし、体調が悪い=風邪をひいたと言う人が多くいたために、明治時代になって初めて「風邪症候群」という病気として認識するようになったのです。