段ボールは帽子の素材として発明された
段ボールの名前の由来は「ボール紙を用いたシートの断面が階段状に見える」ことから名付けられました。今では梱包資材として欠かすことのできない段ボールですが、そもそもは全く違った用途として開発されたのです。
段ボールの歴史
段ボールは1856年にイギリスで発明されました。段ボールというと箱型をイメージしがちですが、それは段ボールシートを加工したものです。段ボールシートは、波状に加工した紙の表裏をさらに紙で挟んで接着し、強度を持たせた構造をしています。それを当時は緩衝材や包装資材として使うのではなく、なんとシルクハットに用いていたのです。
当時のイギリスではシルクハットが大流行していました。しかし帽子の内側に汗をかいてしまうことが問題となっていました。そこで段ボールシートが開発され、シルクハットの内側にクルッと巻き付けて、汗を吸収させたのです。
その後、段ボールシートはアメリカでガラス製品の包装資材として使われるようになり、1800年代の終わり頃には箱型の段ボールの原型が完成されたとされます。