西部劇のワンシーンで、早撃ちの決闘を行うために静止している人物の横を、丸く球状になった枯れ草が転がっていくシーンがみられます。いかにも枯れた大地の荒野を表すのにもってこいの演出ではありますが、アメリカでは珍しい光景ではありません。

転がる枯れ草

この球状の枯れ草の名前は「タンブルウィード」といいます。そのまま「タンブル(tumble(転がる))+ ウィード(weed(草))」という直訳になります。この言葉からも分かる通り、球状になっている枯れ草であれば全てタンブルウィードであり、特定の草の種類を表しているわけではありません。

アメリカではタンブルウィードは珍しい光景ではなく、走行中の自動車の前に突然転がってくることから発生する交通事故や、大量のタンブルウィードが発生したことで住宅を埋め尽くしてしまう災害も発生するなど、悩みのタネになっています。

しかし植物側からすれば、転がって移動することで子孫を残す範囲を広げているので、致し方ない自然の行動なのです。