現在ではお正月の遊びというイメージが強い「タコあげ」ですが、古くは日常的に遊ばれる娯楽の一つでした。大空を舞い上がり、泳ぐ姿が生き物のタコに似ているところから「タコあげ」という名が付いたという説がありますが、そもそもタコあげは「イカあげ」と呼ばれていたのです。

タコあげの語源

平安時代に書かれた書物にはタコあげに関する記述があり、この頃から遊ばれていたと推測されます。日本全土に広く流行したのは江戸時代になってからのことで、この頃は「イカあげ」と呼ばれて親しまれていました。その語源は、やはり空を舞う姿が生き物のイカに似ているというところからのようです。

しかし墜落などによって屋根を損傷したり、農作物に被害を与えるということでしばしばイカあげの禁止令が出されてしまいます。それでも庶民はイカあげを諦めることはせず、「これはイカではなくタコだから大丈夫」というダジャレな屁理屈を言いながらもイカあげを続けたのです。

その結果、この遊びは「イカあげ」という名から「タコあげ」という名へと定着していったのです。