コケ類やキノコ類などを除き、ほぼ全ての植物はを咲かせます。しかし落葉樹林であるクワ科に属するイチジクは、漢字では「無花果」と書きます。これは「花が無い果実」という意味ですが、本当にイチジクは花を咲かせないのでしょうか。

イチジクの花はどこにある?

イチジクは一見すると本当に花が咲いていないように見えます。しかししっかりと花は咲いているのです。イチジクの花は実の中に咲くという変わった性質を持っています。

イチジクの原産地はアラビア南部で、日本には江戸時代初期に長崎に伝来してきました。こうした古い品種は、イチジクコバチと呼ばれる小さなハチが共存しており、イチジクに開いている小さな穴から侵入し、中で卵産をします。この時に花粉を他のイチジクへと運んでくれるのです。このおかげでイチジクは花が内部に隠されている状態でも子孫を残すことができるのです。

ちなみに現在日本で生産されているイチジクは単為結果性と呼ばれる特性をもっており、イチジクコバチによる受粉を必要としない品種です。