秋になると道端に落ちているドングリをせっせと集め、まるで宝物のように大切にしていた幼少期の思い出があります。しかし「この木がドングリの木だよ」と教えられた覚えはありません。そうです、この世にドングリの木というものは存在しないのです。

ドングリの木はどこにある?

ドングリは種であると思われがちですが、それは誤りです。ドングリは果実であり、小動物などがエサとすることが多いですが、遥か昔は人間もドングリを食べていたとされます。栄養価が高く、厳しい冬を乗り切るための重要な食糧です。

ドングリの正体は、ブナ科の樹木の果実です。とはいってもブナ科は世界に1100種類ほど存在しており、ドングリがなるのはカシ・ナラ・カシワ・クヌギ・シイなどナラ属の樹木に限定されます。日本にはドングリのなる木が18〜20種ほどあるとされ、その木の種類によってドングリの形も違います。

ドングリというのは、ドングリの木になっている果実の名前ではなく、ブナ科ナラ属に属している樹木の果実の総称なのです。