瀬戸内海に浮かぶ広島県竹原市に属する有人島である「大久野島(おおくのしま)」。人口わずか30人足らずのこの島には、なんと野ウサギが700羽以上も生息しています。一体この島で何が起こったのでしょうか。

ウサギの島の真実

もともと、この島では多くのウサギが飼育されていました。この島は別名「毒ガスの島」と呼ばれ、戦時中にこの島で、大日本帝国陸軍によって秘密裏に毒ガスが製造されていたのです。ウサギたちは毒ガスの実験用に、また戦時中は食用として利用されていました。

終戦後、進駐軍によって島の無毒化処理が施されましたが、その際に残っていた全てのウサギは殺処分されてしまいました。

その後、国民休暇村に指定されたこの島を活性化させようと、1971年に地元の小学校で飼われていた8羽が放されて野生化し、繁殖。40年ほどで700羽にまで増殖してしまったのです。

島の活性化に繋がったのは2011年のこと。この年の干支が卯年だったことからメディアに取り上げられ、以降年間約20万人もの観光客が訪れる人気スポットとなったのです。