タクシーは回送ではない限り、乗客を乗せていない状態であるならば、道で手を挙げている人を見つけたら停車しなければなりません。乗車拒否は許されることではないですが、実は本心は停車したくても、停車できない理由がある場合があるのです。

タクシー業界のルール

空車にも関わらず停車できない例として、「そもそも気付かなかった」「すれ違う直前に手を挙げられた」「バス停や駐車禁止区域だった」など、様々な理由がありますが、これらの場合でも大抵はすこし過ぎた所で止まってくれることが多いはずです。

気付いている上に道路状況に何ら問題がなくても停車できない事情として「営業区域」があります。道路運送法によってそのタクシーが営業して良い区域が定めれているのです。

例えば都心である東京では5つの区域に分けられます。その中でA区域担当のタクシーが、A区域からB区域にまたがってお客さんを乗せることは違法ではありません。そして到着したB区域からA区域に向かいたい違うお客さんを乗せることも違法ではありません。しかしB区域で乗せたお客さんがB区域内を目的地と指定した場合は違法になってしまいます。

この違法を行わないために、営業区域をまたがって運送をした場合は、帰りは違法になる可能性がある危険を避け、お客さんをスルーする場合があるのです。