宇宙空間に重力は存在しないことから、物体はフワフワと宙に浮いてしまいます。宇宙飛行士が宇宙船の中でフワフワと浮きながら様々な作業を行っている様子を見ることがあり、その際は「無重力状態の中で」などと報道されます。しかし厳密に言えば、宇宙船の中は無重力状態ではないのです。

無重力と無重量の違い

重力を生むということは、引力があるということ。地球や月など、全ての物体は互いに引き寄せる力があります。それがニュートンが発見した万有引力です。無重力というのはその文字通り、重力が無いということ。つまり引力も存在しない空間である状態であることから、惑星などからは遠く離れた場所にしか存在しないことになります。

宇宙船は地球の周りを秒速約8kmという超スピードで周回しています。そうすることで遠心力と引力を打ち消し合い、重力を感じないようにしているのです。これは、バケツに水が入っている状態でバケツを勢いよく振り回しても、中の水がこぼれない原理と同じです。

こうして作られた無重力状態のことを、正式には「無重量」と呼びます。