映画における興行収入と配給収入の違い
「全米No.1のヒット作!興行収入15億円突破!!」などという謳い文句は映画の宣伝ではおなじみですね。同じく映画の収入額を表す言葉として、「配給収入」という言葉があるのをご存知でしょうか。
今回の雑学では、興行収入と配給収入の違いについて説明します。
興行収入とは
映画館の入場料から得られる売り上げのこと。例えばチケットが一枚1500円だった場合、100万人のお客さんが映画を観た場合の興行収入は15億円である。
これは最も単純な収益の集計方法で、2000年以降はこの興行収入の数値をもとに、映画の売り上げランキングが集計されています。
ちなみに現在までの日本国内における映画興行収入ランキング1位は、スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』で304億円です。
配給収入
興行収入から映画館側の利益を差し引いた、フィルムの配給会社側が得られる収益のこと。
配給会社に支払われる報酬は、その映画ごとにパーセンテージが変わって契約される。1999年以前は配給収入をもとにして映画の売り上げランキングが集計されていたので、配給収入も公開されていた。一例としてスタジオジブリの『もののけ姫』の数値をみてみましょう。
もののけ姫(1997年公開)の興行収入は193億円。配給収入は113億円。配給会社が得られる報酬額は興行収入の58.5%で契約されています。つまり映画館側が得られる収益は80億円ということになります。
国内での契約パーセンテージは平均して50~60%が多いようです。
売り上げランキングにおいて
上記の説明で分かる通り、配給収入でランキング付けをしてしまうと、その作品の契約内容によって差が生じてしまいます。かといって興行収入のランキングにおいても、チケット一枚あたりの値段は作品ごとに変わってくる場合もあるでしょうから、必ずしも全てが平等な条件で格付けされているわけではないと言えるでしょう。