頭をぶつけた時には本当に星が見える?
曲がり角で人と人がぶつかった時や壁に衝突してしまった時など、特に漫画やアニメでは人物の頭付近に星が出現する表現がよくみられます。これは衝撃を分かりやすく表すための技法かと思われますが、実際の人間でも頭に強い衝撃を受けると星が見えることがあるのです。
内視現象と眼内閃光
この現象は「内視現象」と呼ばれるものです。内視現象には複数の種類があり、有名なものでは飛蚊症(ひぶんしょう)があります。文字通り何もない空間に蚊が飛んでいるように見える症状です。明るい光の場所では誰にでも見られる現象ですが、酷い場合は目の病気の可能性が考えられます。
この内視現象の一つである「眼内閃光」こそ、目から星が飛び出たように見える現象です。眼内閃光は目を閉じている時などに網膜に強い刺激が加わることによって、脳がその刺激を光によるものだと勘違いすることで、目の前に光が出現するように見える現象です。
漫画のキャラクターのように強い衝撃を受けたときだけではなく、例えば目を閉じて眼球を手のひらなどでグーっと押してみても、光のようなものが見えることがわかります。
これらの内視現象はごく一部を除いては病気の症状というわけではないため、治療する必要性はありません。健康な人でも誰しも起こる現象です。