今の時代はどこでも禁煙が当たり前になりました。街中もしかり、公共の乗物でも全席禁煙が目立つようになっています。飛行機も例外ではありません。かつては禁煙席がありましたが、現在ではどの航空会社も全席禁煙になっています。しかし飛行機のトイレにはしっかりと灰皿が設置されています。なぜなのでしょうか。

なぜ灰皿が設置されているのか

早い話が、灰皿が設置されていないと「飛行機の不備とされ、離陸の許可が降りない」からなのです。そもそも禁煙なのに灰皿がないと離陸できないというのは矛盾しているかと思いますが、それには次のような理由があります。

例えばどうしても我慢できない乗客がタバコを吸ってしまったとして、その吸い殻はどこに捨てたらいいのでしょう。そんな万が一の事態に備えて、灰皿は設置されているのです。「そんな事で…」と思う方も多いでしょう。しかし実際に1973年にヴァリグ・ブラジル航空820便で、火のついたタバコがトイレのゴミ箱に捨てられたことから火災が発生。乗客と乗員合わせて123名のが命を落とす大事故となった事があるのです。

人間である以上、理性を抑えきれずにこの事件のようにトイレでタバコを吸ってしまう方はいると思います。しかしそれはれっきとした違反行為であり、最悪の場合は50万円以下の罰金がかせられてしまうこともあります。