なぜエビはおが屑の中に入れられる?
車エビや伊勢エビなど、高級なエビほどおが屑の敷き詰められた木箱の中に入れられて輸送されます。こうして輸送されたエビは、生きたままの状態であることがほとんどですが、なぜ水もないのに生きていられるのでしょうか。
おが屑の役割
エビは魚介類なのでエラ呼吸をしています。空気中から直接酸素を取り込むことは出来ません。エビのエラには毛細血管が通っており、エラさえ濡れていれば、その水分の中にある酸素を吸収して呼吸が出来るようになっています。
おが屑の役割はいくつかあります。エビ同士が暴れて他のエビを傷つけないようにするためのクッションの役割や、容器の中の温度を一定に保つための保温材の役割も担っています。そして一番重要な役割が、容器の中の湿度を保ち、エビを乾燥させないための保湿の役割なのです。おが屑による保湿性の高さによって、エビは数日から一週間程度は水の中にいなくともエラ呼吸を続けることが出来るのです。
但し容器内の温度が20℃を超えた場合は、水分が蒸れてしまうため上手くエラ呼吸をする事が出来ない場合があります。ご家庭で保存する際に、適切な保存場所が無い場合はすぐに冷凍した方が良いでしょう。