どうして「うっかり八兵衛」が黄門様のお供に?
いつも食べ物のことばかり考えていて、事あるごとに失敗をする。その度に「こりゃあうっかり」と反省することから「うっかり八兵衛」と呼ばれるようになりました。助さん格さんのように用心棒が出来るほどの剣術も身につけていないのに、どうして旅のお供になれたのでしょうか。
うっかり八兵衛の役割
八兵衛は元々は町人の出で、盗賊の見習いとして風車の弥七の弟子でした。しかし弥七が義賊から足を洗い、黄門様に付くようになると、それを追いかけ回す形で八兵衛も後を付いてきたのです。
当初は、非常に俊足で、その足を活かして情報収集能力に長けていたという設定がありました。しかし回を重ねるごとに徐々にキャラクターはコメディ感を持つようになり、食いしん坊のイメージだけが残ったのです。
ですがこの食に関する知識は水戸黄門を語る上で重要になってきます。諸国漫遊の旅をしている黄門様にとって、その土地その土地の名物の情報は重要な要素になってきます。また、止むを得ず野宿をする羽目になった際も、食べられる野草や山菜を見つけ出す仕事もこなしますし、何より黄門様の毒味役として重要なポストにあったのです。
黄門様はそんな八兵衛の食の知識だけを求めたわけではなく、旅仲間唯一の町人の出ということから、「平民の視点で物事を捉えることができる」という点を評価していたようです。