福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の7県で構成される九州地方。なぜ7つの県しかないのに「9」を表す「九州」と呼ばれるのでしょうか。

九州の由来

古くは720年に書かれた『日本書紀』では、九州は「筑紫洲(つくしのしま)」と書かれています。その後、1717年に書かれた、戦国時代を描いた書記『陰徳太平記』で、「山陰 山陽 四国 九州」という記述が登場します。書物として登場したのはこの頃からですが、九州という呼称がいつから始まったものなのかは不明です。

飛鳥時代から明治時代初期までは、日本の地理的区分の基本単位は「令制国(りょうせいこく)」と呼ばれるものでした。歴史で登場する「三河」「駿河」「越後」などの、その県の昔の呼び方です。もちろん現在の47都道府県ではなく、68の地域に区分されていました。そして、その区分で現在の九州にあたる地域が「筑前」「筑後」「肥前」「肥後」「豊前」「豊後」「日向」「大隅」「薩摩」の9国なのです。

廃藩置県が行われた後も、この定着した呼び名だけは残り、7県しかないのに「九州」という呼び方が続いているのです。