国からその技術や知識が認められた資格、それが国家資格です。民間資格と比べると、資格そのものの効力も違えば、資格試験の合格率もやはり低くなっています。医師・弁護士・建築士など、重要な仕事を担うために必要な資格はえてして国家資格だったりします。そんな中、日本伝統の食品であり、長い歴史を持つ「かまぼこ」を作る技術と知識を有するものに与えられる国家資格が存在するのです。

水産練り製品製造技能士

それはかまぼこ職人の憧れの資格であり、その名を「水産練り製品製造技能士」といいます。合格率は30%という比較的狭き門であるこの国家資格は、機械化が進む現代のかまぼこ業界を生存に導くため、1986年から開始されました。

試験内容は生魚コースと冷凍すり身コースにわかれ、さらに1級と2級があります。いずれのコースも、かまぼこを製造するための2時間の技術試験と、魚の鮮度や品質の判定などを行う30分の要素試験の二種類の試験内容で合否が決定します。

ちなみにこの資格を取得することで、かまぼこ造りのプロフェッショナルになれるだけでなく、水産物加工科の職業訓練指導員になるための試験のいくつかが免除される権利も得ることができます。