暗い洞窟に多く潜むコウモリは、逆さで天井に張り付いている姿からも、どこか不気味がられます。ドラキュラや悪魔といったものとも強く結びついているイメージを受けるコウモリは、あまり歓迎される動物ではないのかも知れません。しかし中国では幸福の象徴として挙げられる動物でもあるのです。

コウモリは縁起物

コウモリは漢字では「蝙蝠」と書きます。「蝙」は「至る」という意味があり、「蝠」は漢字のつくりから分かるとおり「福」に通じます。つまり「福に至る」という意味になり、縁起物として捉えられているのです。また、コウモリは100年以上生きたネズミが変化するものという伝説もあり、長寿のシンボルともされます。

日本も明治までは中国の影響でコウモリを幸福の象徴だとされており、企業の商標などとしても用いられていました。明治以降、西洋の文化が日本に多大な影響を与えると、次第にコウモリは不気味なものというイメージが強くなっていったのです。