ヘビ(蛇)は地を這う生き物というイメージがあります。地面をウネウネとうねりながら移動しますし、当然ながら羽は生えていないので飛ぶことも出来ません。しかし極一部の個体で空を飛ぶことが出来る種がいるというのですが、どういうことなのでしょうか。

空を飛ぶヘビ

空を飛ぶとされるのはナミヘビ科トビヘビ属に属する5種類のヘビです。東南アジアにのみ生息するこれらのヘビは、5種類全ての種が飛ぶわけではありません。中でも有名なのが「パラダイストビヘビ」であり、トカゲやカエルなどを主食とするために樹上で生活するヘビです。このパラダイストビヘビは、木と木を移動する手段として空中を飛んで移動することがあり、最大の記録では100mもの距離を移動したことが確認されています。

しかしながら羽が生えているわけではないため「飛ぶ」というよりは「跳ぶ」に近い行動ではありますが、ジャンプ中は肋骨を広げお腹を凹ませることで体を平らにし、ムササビのように空中を滑空するのです。

当初は高いところから低いところへ目掛けて落下しているだけだと捉えられていましたが、近年の研究により落下状態を操縦していることが明らかとなり、紛れもなく空を飛んでいると判断されているのです。