日本で「饅頭」といえば、中にアンコの詰まった和菓子を思い浮かべます。しかしこの饅頭は中国から伝わった饅頭を日本風にアレンジしたものであり、本来の饅頭は日本でいうところの「肉まん」を指します。

饅頭を考案したのは

中国の古い文献によると、肉まんが初めて登場したのは三国志の時代であり、考案者はかの有名な軍師・諸葛亮孔明であるとされます。

その時代、瀘水(ろすい)という川が大荒れで渡ることができないことを知った諸葛亮は、その土地の者から「この川には神がおり、49個の人間の首を捧げれば川は鎮まる」という話を聞きます。そこで諸葛亮は、小麦粉をこねた皮に肉を詰め、それを人間の頭にかたどったものを川へ沈めました。すると川の氾濫は鎮まったといいます。

これを蛮族の頭を意味する「蛮頭(ばんとう)」と名付けました。しかし食べられるものを毎回川に沈めるのはもったいないということで、供えるだけにして食べるようになりました。そこで、食べ物を意味する「饅」という字を使うようになり、「饅頭(まんとう)」という言葉が生まれたのです。

その後、「頭」を訓読みするようになり、「まんず」から「まんじゅう」へと転化したとされます。