畳の色と香りは泥によるおかげ
日本人にとって、やはり和室は居心地が良く落ち着きます。その要員の一つとして、間違いなく畳の効果が挙げられます。畳はイグサを原料に作られますが、なんといってもそのイグサの匂いが心地良いのです。しかしこの匂い、実はイグサだけの匂いではないのです。
イグサの泥染め
イグサは刈り取られた後、乾燥させる必要がありますが、その間に「泥染め」という工程があります。刈り取られたイグサは、粘土に浸されます。この泥染めを行わずに乾燥させると、急激な乾燥によって本来の色が損なわれてしまいます。そのため泥ぞめをし、さらに直射日光を避けるために1ヶ月間もの間、乾燥の作業は夜間に行われます。
こうして生まれた畳の原料となるイグサは、均一な光沢を持ち、粘土のコーティングによって強度が増し、畳の香りを生み出します。畳の落ち着く香りはイグサ本来の匂いではなく、粘土とイグサが混ざった匂いなのです。