和食料理で名脇役といえばやはり茶碗蒸しでしょう。旬の具材がゴロゴロと使われており、卵の甘さと相まって人気の高い料理です。その食材の一つに、必ずといっていいほどシイタケなどのキノコが、高級なものではマツタケが入っていることもありますが、なぜかマイタケが入っていることは絶対にありません。

マイタケと茶碗蒸し

茶碗蒸しは出汁と卵をベースに、蒸し上げることで固まります。熱を加えると卵に含まれるタンパク質が変化することによって、ゆで卵と同じ要領で固まるのです。

そしてマイタケには、プロテアーゼやアミノペプチダーゼなどのタンパク質を分解する酵素が含まれているため、卵に含まれるタンパク質の成分を変えてしまうことで、加熱しても固まらなくなってしまい、ドロドロのスープのようになってしまうのです。

しかし一度火を通してしまえばこのタンパク質分解酵素は力を失ってしまうので、どうしてもマイタケを入れて食べたいという場合には、あらかじめ加熱すれば具材として使用することはできます。