日本料理はダシが決め手といいますが、昆布やカツオ節でとったダシが薄いと、「コクがない」という表現をします。このコクこそが旨味の感覚なのですが、外国ではこの旨味に関する味覚の存在はあまり浸透していません。

旨味とは

味覚は甘味、酸味、塩味、苦味にうま味を足した五つが基本味とされています。例えば料理の味が薄かった場合、日本人はダシの味が悪いという捉え方をする場合があります。外国にもブイヨンやコンソメといったダシが存在するのですが、外国では単純に砂糖や塩味が薄いとしか捉えられていませんでした。

日本では1900年初頭にグルタミン酸が発見され、これが旨味の成分であると、その存在に早くから気が付いていました。しかしグルタミン酸の存在は外国での研究者には受け入れられずにいました。

2000年に舌の感覚細胞にグルタミン酸受容体があることが発見されると、ようやく旨味の味覚が受け入れられ始めたのです。しかし外国には「旨味」に相当する言葉がなかったため、日本語と同じく「Umami」という言葉が一般化しているのです。