プルプルの食感に口どけの良い餅、甘い黒蜜との相性が抜群なデザート「わらび餅」。同じ名称で山菜に「ワラビ」がありますが、わらび餅がワラビの味を出しているわけでもなく、一体どういう関係なのでしょうか。

わらび餅の原料

わらび餅はわらび粉を原料とし、水や砂糖を加えて作られています。このわらび粉こそが、山菜のワラビの根から取れるデンプンを乾燥させて粉末状にしたものなのです。わらび粉は粘りが強く、デンプン特有の粉臭さが少ないのが特徴です。

しかし精製作業は非常に手間がかかる上、根を掘り起こす作業は冬に行われ、冷水で何度も洗う必要があり、肉体的にも辛い作業になります。さらに10kgのワラビの根から取れるわらび粉はわずか70gでしかなく、そのため高級食材とされ、かつては身分の高い者しか口にできないものでした。

近年では本来のわらび粉を使用したわらび餅はほとんど存在していません。代わりとなるデンプンを使用して作られています。